心の炎が消えぬ間に

ゲームについてのアレコレを、熱が冷めないうちに、気の向くままに書き連ねるブログ

未プレイ者に贈るゼノブレイド2感想【前:世界観編】

 

 というわけで記念すべき記事第一弾は、ゼノブレイドです。

 書きたいことがたくさんある本作ですが、まずは未プレイの方向けに、実際に遊んでみて各要素がどうだったかを書き連ねていきたいと思います。

  まずは、ストーリーなどの世界観に関する内容について。

 

 

 

●ボーイ・ミーツ・ガールと少年の成長が織りなす、王道のストーリー

 ストーリーは一貫して主人公レックスの行動を中心に進んでいきます。ヒロインのホムラをめぐる争いや思惑に巻き込まれる中で舞台となる世界アルストの歴史や理が明かされ、世の行く末を左右する事態となっていく…という王道の作りです。

 私が特に評価したいのは、未熟なレックスがどう成長していくのかが丹念に描かれていること。

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 レックスは若くしていちサルベージャーとして生計を立てている自立した少年ですが、同時に世の争い事から距離を置き、楽園の伝説を夢見る『ぼんやりした現実認識と御伽のような理想を抱く、歳相応の一面』もあります。

  そんなレックスが伝説的な力を持つ「天の聖杯」ホムラと出逢い、争乱を辛くも凌ぎながら旅していく中で自らの戦う理由とポリシーを定めていく…

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 ストーリー前半はときおりコミカルなシーン(笑いを狙いすぎている場面も少々ありますが…)を交えつつ、無垢な少年レックスがどのようにして「天の聖杯のドライバー」へと成長していくのかが語られます。自らの未熟さゆえに傷つけられながらも、そこから学びとりながら自分なりにどう考え何のために戦うのかを見出していく、それまでの道のりと登場人物達の心の変遷がドラマチックに描かれています。

 そして楽園(神の世界)への旅の終点で明らかになる、アルストの危機の理由と世界の真実。怒濤の展開を経て次々と核心が明かされる終盤の流れは圧巻です。

  前作ゼノブレイドクロスが謎めいたエンディングであったことは物議を呼びましたが、今作はしっかりと完結します。エンディングも私的には感情を大きく揺さぶりつつすっきりとした余韻を残す〆であり、大満足の出来でした。

 

 

 ●表情豊かな登場人物達

 過去作とは違ったアニメ調のキャラクターデザインですが、私的にはこれで正解だったと思っています。イベントシーンで見せる感情表現がとても細かく、目を中心にアニメ調の強みを活かした描写になっているのがとても印象的でした。

(ゼノブレ1のような写実寄りのキャラデザインだったら、多分こうはいかないのでは)

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 台詞にも力が入っています。特にシリアス度が上がる中盤以降、各人が想いを吐露する場面の演技は素晴らしい。

 各キャラクターについては公式サイトやダイレクト等で紹介されていますが、それはあくまで第一印象的なものでしかなく、ストーリー進行に沿って敵味方双方の各人が秘めている様々な側面が現れるのも巧いと思いました。終盤だけでなく、2話3話の時点から「この人実はそうだったの!?」と思えることが段階的にやってきて、ぐいぐいと話に引き込まれていきますよ。

 

 

ブレイドのランダム入手は賛否両論だが、一期一会の良さがある

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 本作最大の要素のひとつが、各キャラクターとコンビを組む「ブレイドの存在。戦闘においてはブレイドによって技や属性が決まる最重要ポイントです。ランダム要素がガチャに似ており賛否が分かれるところでもあります。

 ブレイドには3種類の入手手段があります。

  1. 初期からいる(ホムラ・ビャッコ・ハナなどのストーリー重要人物枠)
  2. メインストーリーやサブシナリオで加入する(10種程度のレアが存在)
  3. コアクリスタルを使ってランダムで入手する(20種程度のレアorコモン)

 特に初期ブレイドやメインストーリーで確定入手できるブレイドは優秀で、彼らだけでも充分に戦い抜けるポテンシャルがあります。ただしフィールドを塞ぐ仕掛けを解いて先に進む場面では、ランダム入手のブレイドの力が必要になることがたびたびあります(クリアに必要なスキルは比較的用意しやすいようになっています)

 戦闘でコンボを繋げやすい組み合わせの幅が広がったり、アイテム収集量を増やしたりといったメリットも大きいので、ブレイドは増やしていくほうが何かと便利です。

 3のランダム入手については、レアブレイドが少ないうちはレアを引く確率も高いようで、数体のレアブレイドとはそこまで苦労なく出逢うことができます。ハズレとみなされがちなコモンブレイドも傭兵団の任務に送る人員としての役割がありますし、戦闘でのコンボ繋ぎを重視するための編成を考えると下手なレアより重宝する場合もあります。

 コアクリスタルは序盤から結構な頻度で入手できるので、おみくじ感覚で気軽にブレイドを「引く」ことができます。ゲームが進行するにつれてグレードの高いコアクリスタルを多く入手しやすくなるので、最終的には大量に引くのも難しくない状態になります。但し、実装されているレアブレイドを全部揃えるにはかなりの試行回数が必要なので、コンプ欲の強い方はそれなりの覚悟が必要です。

 

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 独特のデザインと性能を持つレアブレイドは本作の華であり、ランダム入手でどんなレアブレイドに巡り会えるかはプレイヤーによって様々。(#レアブレイド入手順 を見ると、まあ人によって違うのなんの)各レアブレイドはそれぞれ専用のクエストやムービー、組み合わせによっては同パーティ時の掛け合い台詞まで用意されており、キャラクター性にはかなり力が入っています。連れ歩くブレイドとの一期一会を楽しみつつストーリーを進められるのは、今作独自の特徴のひとつです。

 

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  ただ、レアブレイドはほとんどのキャラが「序盤から入手してもストーリー進行と噛み合うくらいのテンポで段階的に成長する」ように設計されているので、物語後半やクリア後に入手したブレイドは育成がどうしても作業的になってしまいます。特に信頼度は後半加入だとアイテム連打作業推奨と言わざるを得ない…「全てのレアブレイドを手に入れ、育成する」のは誰しもが思いつくやりこみ要素ですが、作業的になってしまうのは惜しいところです。これは序盤から入手できる可能性があるシステムにしたがゆえの難点ですね。

 

 

●感情を揺さぶる音楽


ゼノブレイド2 TVCM

 シリーズを通して評価が高い音楽ですが、今作も素晴らしい仕上がりです。

 傾向としては、熱さや激しさよりも情感やストーリーの盛り上がりにシンクロさせることを重視した曲が多い印象ですゼノブレイドシリーズ通しての特徴かもしれませんね)特にイベントシーンや街の曲でその傾向が強く感じます。

 カッコよく熱血できる曲が好きな方にはやや微妙に感じるかもしれませんが、情緒的な曲を好む人にはすごくオススメできます。賛否あったゼノブレイドクロスと異なり、ボーカル曲は原則としてイベントシーンの山場のみで起用されているので、歌無しのBGMのほうが好みという方もさほど問題無く楽しめると思います。でもボーカル曲も非常にいい仕事をしていますよ!

 個人的に特筆して好きなのは、リベラリタス(昼夜両方)と後半の通常戦闘曲。何千回聞いても飽きないと確信するほどです。サントラはよ。

 あと↑のCMでも使われたボーカル曲がとても心に沁みるので、是非この曲が流れるところまでプレイしてみてほしいですね)

 

 

◎演出面の満足度はとても高い

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 以上、前編として世界観にまつわる要素を中心に書いてみました。

 前評判では、特にアニメ調で所々セクシャルなキャラクターデザインに賛否が分かれることが多かった印象があります。このあたりは好みが合わなければ致し方ない部分ではありますが、その強みはしっかりと活かされた作りになっています。

 では、RPGのもう一つの柱である戦闘はどうなのか、冒頭ツイートに書いた減点法で評価が下がる要素は何なのか…それは後編「戦闘・システム編」にて。