心の炎が消えぬ間に

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ゼノブレイド2―黄金の国イーラを振り返る(XB2一周年記念編)

 

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こんばんは。
本日は2018年12月1日、ゼノブレイド2発売から1周年!
というわけで、今回はゼノブレイド2DLCであり単独パッケージソフトでもある「黄金の国イーラ」の感想を、システム面を中心に綴ってまいります。

クリア後の感想になるのでイーラ編の内容ネタバレ注意です。特にイーラ編エンディングをまだ見ていない方は、ヒカリちゃんの話が出だしたらブラウザバックを強く推奨します。
一応、イーラ編はクリアしたけれどゼノブレイド2の本編はまだ未プレイという方のために、本編ストーリーのネタバレ要素は抑えているつもりです……が、本編のプレイ感や多少のストーリー要素には触れているので、閲覧は御了承のうえで。

 

 

●本編をベースに、コンパクトに遊びやすく再構築されたゲーム性

 

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 イーラ編は本編の外伝として作られていると同時に、本編のゲームシステムに一部改良が施されて随分と遊びやすくなっていました。
細かい改良で特に印象的だったのは
 ・フィールドでの素材採取の高速化
 ・素材アイテムはクエスト用&キャンプでのアイテム製作用になり、種類も抑えめ
 ・アシストコアの精錬が不要になり、入手後直接装備可能に
 ・キズナリングの各項目について、達成後も条件を確認可能
 ・ユニークモンスターの墓の位置をマーカーで表示

といったところ。
本編で煩わしかったり複雑だったりしたところが概ねスッキリしたので、正直ここまで改良できるものなのかと歓心したものです(^_^;)

 

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 パーティーメンバーは原則固定で、使用するアーツも本編では4種から3種を選ぶのに対しイーラ編では3種固定。フィールドも一部ゼノブレイドシリーズらしい探索がいのあるエリアを用意しつつ、基本的には動線が分かりやすく、3次元的な遊びを残しつつも分かりにくさを抑えた地形になったように思います。
 イーラ編独自の要素である【ヒトノワ】は発展によってNPCの台詞が細かく変化することもあり、かつてのゼノブレイド1にあったキズナグラムに近い雰囲気を感じました。ですが内容はキズナグラムほど複雑だとは感じず、「人々との交流」が広がる様子とクエスト検索の実用性がうまく兼ねられており、遊びやすくかつ味わいのある良いシステムでした。

 

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 総じて「外伝としてのサイズに合わせて自由度を切り捨て、迷う要素を極力抑えたシンプルで分かりやすいゲーム性とすることを強く意識した作りに感じました。ゆえにイーラ編はシステム的には本編よりもとっつきやすい作品になっていると言っていいのではないでしょうか。

 本編はブレイドの性能やアシストコアなどの要素が複雑な分、パーティーメンバーの役割や性能を大きく弄ることができる自由度の高さがあるので、総合的に見て本編がイーラ編に劣るというわけではありません。長時間腰を据えて取り組むボリュームの本編と、20-30時間程度の短編として楽しむイーラ編、それぞれの良さがあると思っています。
 プレイ前はイーラ編も本編と同じような作風になるのかなとぼんやり思っていたので、いざプレイしてみて短編RPGに合ったコンパクトなゲーム性に仕上げてきたのは驚きであり、もうひとつのゼノブレイド2として新鮮味をもって楽しむことができました。

 

●必殺技連携はシンプルだが、操作キャラの動きはより激しくなった戦闘システム

 

 本編でも非常に楽しかった戦闘ですが、イーラ編の戦闘システムは一部シビアさを増して更に磨きがかかったように思います。

 イーラ編の戦闘は「HP回復手段がかなり少ない」のが大きな特徴。
 HP回復の手段はチェンジアタック時の赤ゲージ回復、カスミのアーツおよび必殺技、ラウラのアーツやドライバーコンボによる回復ポッドの取得、といったところ。
 回復ポッドは頻度も回復量も常時アテにできるほどのものではないですし、カスミの回復技も連発するのには限界があります。なので自キャラのHP量をまめに確認してタイミング良くチェンジし、被ダメージを回復するのが非常に重要です。しかしチェンジアタックはダウン・ライジング・スマッシュといった敵を止められるドライバーコンボの成立にも必須になっているので、どこでチェンジするかは攻防両面を睨んだ戦術的判断が必要。これが楽しい。

 

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 オートアタックをタイミングよくキャンセルしてアタッカーアーツを決めつつ、HP残量とドライバーコンボの状況に目を配りながら、いつチェンジアタックを入れるかを判断する。思考も操作も多角的な意識が求められるので慣れるまではなかなか大変でしたがそれだけの充実感があり、本編を長時間プレイしていてもイーラ編の戦闘に陳腐さを感じない出来になっていました。本編だと回復はある程度NPCに任せられるので自分の操作に集中しやすかったのですが、イーラ編はチェンジを意識しないと自キャラが簡単に沈んでしまうので、特に序盤戦の難易度はイーラ編のほうが高いように思います。このチューニングは後発DLCとしてのやりごたえを重視した結果なのかもしれません。
(私は原則ラウラチーム操作だったので、他チーム操作だとまた違った感想はあるのかも;)

 

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 アーツ周りの立ち回りが非常に忙しい分、必殺技とその連鎖に関してはかなりシンプル必殺技を当てるだけで属性玉が付けられるのでクリティカルルートにはあまり拘らなくてもよく、本編では特殊なブレイドか周到な準備が必要になる8玉チェインアタックもイーラ編では楽に繰り出せるようになっていて驚きました。昨年、本編が発売された時に必殺技連鎖(ブレイドコンボ)の方法がよく分からないという声がツイッター上で散見されたのは懐かしい記憶ですが、今回はその点を考慮して簡略化してきたのかもしれませんね。
 チェインアタックによる爆発的な大ダメージを狙うのはイーラ編のほうが遥かに楽なので、立ち回りにさえ慣れてしまえば攻撃面においてはイーラ編は本編よりだいぶ戦いやすかったです。その代わりHP管理とアーツを繰り出す判断が忙しいという印象ですね。戦闘面においても本編とは違った、しかしこれもゼノブレイド2らしい戦闘だと思えるゲームを楽しめたので、満足度はかなり高いです。

 

●「ボーイ・ミーツ・ガール」の「ガール」を補完する物語(だけではなかったけど)

 

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 ストーリーについては個別に書きたいことが色々とあるので稿を改めたいと思っていますが、今回はさしあたり、ヒカリについて

 

 イーラ編公開以前、ゼノブレイド2本編の感想↓の一節で私はこう書きました。

kei-and-rin.hatenablog.com

"ゲーム本編はレックス視点の物語であることを重視している節がありますし、ゼノブレイド2の最後の盛り上がりとしてヒカリ側の心情を描くというのは美しい構図と言えます。個人的には魅力的だけどまだ足りない・知りたい部分が多いキャラクターなので、今後さらなる描写があるのかが一番気になっている人物です。"

 

 ボーイ・ミーツ・ガールとして物語が成立するには男子側の心情だけでなく、女子側の心情描写が不可欠だと思います。イーラ編でそこをどの程度描写してくるのかがとても楽しみでしたが、いざ出てきたのは―

 

「そりゃあそうでしょ、何せこの私は―」
『思いやりに欠ける』

「おにく!」
「休 み た い」

「私の料理は病みつきになるって評判なの」
見た目は悪いけど、味は……いい……はず……

 

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 こ れ は ひ ど い (^_^;)
 そりゃあ諸般の事情により封印しますわと思うエピソードがゴロゴロと。

 同じ天の聖杯であるメツにも感じましたが、イーラ編において天の聖杯は純粋で精神的に未熟で、時にどこか子供っぽく感じる言動が目立っていた気がします。これは恐らく初めてブレイドとして世界に降り立ったがゆえの未熟さなのでしょう。だから上のような言動の数々も成長の一環。仕方がないのです。たぶん。

 

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 そんな、純粋で未熟であったヒカリがアデルやミルトと共に歩み、メツ討伐の旅の道中で得た仲間、そして世界の住人との交流(ヒトノワ)を通じて人の心を少しずつ知っていく。「黄金の国イーラ」はそんな物語でした(勿論それだけではないですが)
 本編では謎であった英雄アデルの人となりと彼が何故ヒカリと並び立つ存在になれなかったのかについても示されており、ヒカリというゼノブレイド2のヒロインはこの物語で完全なものになった、そういう充足感を存分に得られたストーリーでした。

 物語の結末は辛いものでしたが、それが後の本編に繋がるものだと分かっているから感慨深く受け止めることが出来ます。
 逆に言えば、イーラ編から始めた方は是非本編もプレイしてほしいものです。英雄に出来なかったことを成し遂げる少年の物語と、それによって救われる少女の物語があってこそのイーラ編なのですから。

 

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辛い、辛い…しかしこの「助けを求める」場面こそ、ゼノブレイド2の物語を完成させる最後のピース

 

 

●まだまだ語りたいが、ひとまずこのへんで

 

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 以上、黄金の国イーラ感想(XB2一周年記念編)でした。

 一周年記念編ってなんだよ(^_^;) 本当は本編感想のときのように各キャラクターについて個別に振り返りたい(シンとラウラについてほぼ何も書いてないのは我ながら酷いと思う、許せシンラウ)のですが、突貫工事ゆえにこれが限界でした()記念日に投稿することが大事ですから……

 このツイートを拝見して、そうか、12/1で一周年記念か!と気づいたのが数日前でして。「ゼノブレイド2 1周年祭」では様々な形でお祝いがなされているようですので、ネタバレOKで興味のある方は是非ご確認を。私も本当はキャラクター個別感想まで書きたかった……頑張って年内にはなんとか、追加を投稿したいところです。

 というわけで、今回はここまで。お読みいただき、ありがとうございました。御縁がありましたら、キャラクター編でまたお会いいたしましょう。