心の炎が消えぬ間に

ゲームについてのアレコレを、熱が冷めないうちに、気の向くままに書き連ねるブログ

2周目突入前にゼノブレイド2を振り返る【ネタバレ注意】


こんばんは。1.3アップデートから大分経ちましたがまだリスタート前の私です。

遅ればせながら、2周目開始前に一度ゼノブレイド2を振り返ってみたいと思います。
当然ながらエンディングのラストシーンに至るまでネタバレ全力です。あとゼノブレイド1の話もちょっとだけあります。
ゆえに未クリア者は閲覧非推奨。是非クリアしてから御覧下さいm(_ _)m

未プレイで何故か迷いこんでしまった方は、こちらをどうぞ↓
kei-and-rin.hatenablog.com

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 ●まずはプレイ全体の振り返りを

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 最高、最高でした。一つのRPGにここまでの愛着を覚えるのは初めてかもしれない。

 あのゼノブレイドの続編ということでリリース前には「本当に発表から1年足らずで出せるの?クオリティ大丈夫?」等といらん心配をしていましたが、期待以上の出来でした。
 以前の記事で書いたとおりシステム的に馴染みにくいところがあったのは事実ですが、各キャラクターが織りなす話の流れが特に魅力的で、ストレスが上手く軽減された印象があります。ニアがイーラ勢だったりメツが予想外に大物だったりといったことが分かったときには驚いたものです。

 


ゼノブレイド2 Direct 2017.11.7 プレゼンテーション映像

 今作はプロモーションでの情報開示を巧く利用してますねぇ。ゲームの発売前情報がWebで積極的に広報されるようになった今日、前情報を見た後でゲームをプレイしてみたら見たことある光景が半分以上で後々物足りなさを覚えてしまうなんてことが度々あるものですけど、ゼノブレイド2については巧く断片化していたと思います。CM曲がED曲というのにも驚きましたが、あの場面であの歌詞なので既出感による陳腐さは全く感じなかったですね。むしろプレイヤーにある種の郷愁感を与えようとしているくらいで、本当に巧い。

 

 クリアタイムは117時間20分。
 サブクエストをできるだけ回収するというプレイスタイルを取った結果こんな時間に。まあいつものことです。ハイラルも足跡付いてない場所が無いくらい歩いたしな!

 3話ラストまでは(2話終了直後グーラ上層左に行くまで2時間迷った以外は)順調だったのですが、中盤では全滅シーンがあちこちで発生。

傭兵団Lv3昇格クエスで2戦目からボッコボコにされる
4話ラストのベンケイ&サタヒコで全滅しまくり(take10ちょい)(大技から1人だけ逃げて蘇生するという強引な突破法;)
・みんなのトラウマ「横取りのジーニ」でLv差+2桁なのに連敗して意気消沈
 >[回復無効][回復無効][回復無効]

と要所要所で下手をこいてます(^_^;)
 5話あたりまで必殺ゲージ貯めの要領が悪く、属性玉をろくに作れなかったのが最大の理由。「アーツはちゃんとオートアタック3段目からキャンセルして撃つ」「ブレイドコンボのルートをひととおり把握しておく」のをキッチリやれるようになるまで時間がかかってしまった…

(ゼノブレ1経験者はきっとソードバッシュを使おうとして歩き回る、それって罠だと思うの)

 ブレイドコンボを上手く決められるようになった5話後半からは概ね安定して戦えるようになりました。寄り道行脚でレベル差10程度をキープできたのでエルピス霊堂も快適。アエーシュマもシン&メツもスムーズに突破。
まあ幻影戦がグダグダだったり10話ソロ戦でけちょんけちょんにされたりしたんですけどね!
(ちなみに私はソロ戦に勝てなさすぎてggった結果、ハンマー*3で耐久戦しました。ヒール系アシストコア無かったんや…)

 8話に突入してからはドライバーコンボ完遂の流れも分かってきて、そこから戦うのがグッと楽しくなると同時に後半の神がかり的な戦闘BGMがやってきてテンションが上がりっぱなし。世界樹では目についた雑魚に片っ端から喧嘩を売りながらじっくり登っていく有様でした。今作の戦闘は本当に楽しい。アイテムドロップと大ダメージという戦闘の華を自分で組み立てていく楽しさ!RPGの戦闘は最終的に数字の維持&削りを続ける作業になりかねないところがある中で、攻めを重視するシステムは非常にやりごたえと達成感がありました。

 

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 クリア前に引いたランダム系レアブレイドは「ウカ>トキハ>イブキ>ザクロ>ヤエギリ」くらい。
 この中だとよく使ったのはザクロ。ニアのサブ枠として長く活躍してくれました。
 基本的にレックス/ニア/トラで攻略していったので、固定ブレイドで充分戦えると以前書いたのは自身の経験上とも言えます。
 ハナライズもクリア前ではエキスパンション・パスで貰った結晶と、STAGE1でパーフェクトを1回取ったくらいしかやってないのでそこまで強化無し。でも充分戦力になるから、ハナは強い。

 ホムラ&ヒカリ/ビャッコ/ハナJK(orカグツチ)の3人だけで火水光ルートは楽に作れる(しかもチェインの玉割りも楽という親切設計な)わけですけど、これは5話あたりからブレイドコンボを意識しやすいように開発陣が狙った気がしてなりません。
 ランダム系ブレイドで試行錯誤してね!という構成だったらスムーズに攻略できていたか怪しい私としては、とっつきにくいなりに出来るだけの配慮はしてある作りだったのかなと思うところです。
 コアクリスタルが貴重そうに感じてあまり同調意欲が強くなかったこともあり、エンディングまでランダム枠はオマケという考えでプレイしました。1周目からコンプしたい、あるいは特定のブレイドを序盤から使いたいタイプの方はストレス強かっただろうと思いますが、私の場合は程よく無視できて相性が良かったように思います。ガチャシステム自体は好きではないんですけどね…

 

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 クリア後はレアブレイド集め&イデア上げに邁進し、レアブレイドコンプも果たしました。運900とイデア10+5があれば結果はいずれついてくる、という印象。
 一方ハナライズはスイッチ短縮Vが出なさすぎで悶絶。MasterCPUはだいたい揃えたんですがスイッチ短縮Vはゼロです…別方法で入手できないかな…
 強敵はサーペントだけ撃破しました。レックス/ニア/トラで正攻法(メレフのほうが相性良いことに気づいたのは倒した後だった;)即死級攻撃をカットインでやり過ごすの楽しいです^q^  他の強敵は2周目にとっておきます。この記事をアップしたらアルミチップを付けてゆっくり2周目を遊ぶんだ…

 

●第4話がお気に入り

 今作のシナリオは好きな箇所が多すぎるのですが、あえて取り上げたいのが第4話。
本格化する前の箸休め、あるいは冗長と捉える人もいるかもしれないところですが、私はここに思いを馳せることが多いのです。
 4話はメインキャラクターのそれぞれに、その後の展開に強く影響を与えたであろう重要な出来事が存在していました。

 

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 泥棒少年の一件は、「レックスがドライバーとしての力をどう使いどう戦うのか」に対する一つの答え。
 3話時点では感情的に立ち向かうことしかできなかったレックスが成長するターニングポイントであり、以降スペルビアでヒカリが力に慣れることを提案する>メレフ戦で天の聖杯の力を制御した姿を見せる、という流れは本作で特に良く描けていると思うところのひとつです。ヒカリが泥棒少年の件をどう思ったかストーリーで明示されてはいませんが、メツ&ヨシツネ戦でのレックスのままだったら提案をしようとは思わなかったんじゃないかと。

 

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 スペルビア温泉の入浴シーン。ニアが自分の正体をヒカリに明かしたのは、ヴァンダムに自分の力を使えなかった(後々見ると、ニアが戦闘中や墓前で葛藤している一瞬があるんですよね)ことに加えて、4話冒頭でホムラにマンイーターの知り合いが居ることを知ったことも大きいはず。
 6話の皇帝爆死未遂シーンでは正体を明かしはしなかったものの、孤独を抱えたままだったらネフェルを蘇生することはできないままだったのではないかと思います。
 その後5話6話の国葬シーンやルクスリア上陸後のシーンではホムラ/ヒカリとの距離が縮まっており、7話冒頭の叱咤からはニア自身のホムラ/ヒカリに対する感情を伺うことが出来る、その始点が温泉のシーンであるように思いますね。

 

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 そして4話後半の主役ハナ。クリア後にムービーを見返したら初期の口調が全然違っててビックリしました。エーテル炉稼働後から口調が大きく変わっているんですね。あとキクとの空中戦がやたら力入ってて驚きました。後半のバトル描写より良く出来てない?コレ()  姉妹対決からJKお披露目までの熱さはこのゲーム全体から見るとやや異質ですが、私は好きです。(ただサクラは…ダウンしたときのアレはやりすぎで正直引きました…搭乗シーンとかのスパロボネタはわかるけど、6話のGといいあの造形は好きになれなかった。あえて嫌悪感のある相手にしているとは思うんですがね)
 後の8話でのヒカリとの「約束」の件も、モルスの地の光景だけでなく4話での出来事が大きく影響しているのは間違いないでしょう。


 といった感じで、後半のドラマチックな展開の起点となる内容が多かった4話。
 シナリオの醍醐味というとどうしても最終的な場面に注目が集まりますが、個人的にはそこに至るまでの過程を噛みしめることが出来る中盤の丁寧な描写も、この作品の大きな魅力だと思っています。

 

●10話冒頭にゼノブレイドシリーズの根幹を見た(と思うのだが)

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「ん?これ見覚えあるような気がするぞ?というか1じゃんこれ!あの迷惑神様が迷惑始めする場面じゃんか!うわ繋がったよ。それで2なのか。先生今作1とは直接繋がってないって言ってたじゃないですかー!確かに縦じゃないけど見事に横方向に接続されてるじゃないですかこの!嘘つき!うそつきー!!」

(個人の感想です)

 …ハイ。9話以降は熱いシーン盛り沢山で色々好き過ぎるのですが、10話冒頭の衝撃は特に頭に焼き付いてます。
 なるほどこうきたか。
 モナドはある種のファンサービスと受け取ってて、1との絡みはこれくらいかもしれないと思っていたので、余計に衝撃を感じたものです。

 ゼノブレイド2というタイトルが発表されたときに、1が綺麗に幕引きした作品の後に2を冠するのはシステム的継承によるものなのだろうか、キャラクターデザインの風合いも変えてきているし…等と思っていましたが、見事に裏切られました(すごく嬉しかったですけどね)
 と同時に「この出来事がゼノブレイドというタイトルの根幹だというのなら、ゼノブレイドクロスの惑星ミラが(未プレイ者のために自粛)なのもひょっとして?」と、個人的にストーリーの消化不良感が強かったクロスを補完してくれたような想いも得ることが出来ました(個人の妄想です)本当のところはどうなんでしょうかねー。クロス方面のストーリーは今後続編の可能性があるらしく、展開が気になります。

 

●各キャラクターから、印象的なシーンを振り返る

・ジーク&サイカ

 2人1組ですまない。ニアトラの思い入れが強いのであんまり出番が無かった方々。ライジングも最終的にはニアナックルとレックス斧でやっちゃってるから…ただスペック的には充分強いかと。

 シナリオ的にはジークはプレイ前から「おちゃらけておいてからの年長者ポジションだろう」と思ってて実際その通りだったので、そういう意味でも予想外な側面を見せてくれた他キャラと比べてやや地味に映ってしまったのが個人的な本音ではあります。特にサイカはあと1箇所くらい見せ場がほしかったな…「おっさかなおっさかなー!」ばかり印象に残っちゃってますよ(^_^;)

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 本作のメインキャラクターはほとんどが何かしらの挫折を経験しており、特にジークのそれは「閉鎖的な祖国を飛び出して為すべきことを掴もうとしたが、うまくいかないまま命を落としかけた」という無残な失敗。そりゃ関西弁風にもなりますわ。このバックボーンで標準語やったら人物像重すぎて少年少女達と組めそうにないやろ…なんてことも思います。でも王家の器なのか七転八倒の経験がそうさせたのか、あまり自分の苦悩なり私見なりを前に出すことなくどっしり構えてレックス達を見守るポジションにいた印象が強いです。ゼノブレ1のダンバンさんとは違ったタイプの先輩ですけど、後ろにいると不思議と安心感のある人物。そしてだからこそポツリと漏らす「あれもあんたとちゃうんかい…」にグッとくるし、エンディングのあのシーンはそんなジークが諭すからこそだなぁと思うのです。

 

・メレフ&カグツチ

 料理以外は鉄壁の軍人コンビ。世界樹下層~中層はレックス/メレフ/ジークでプレイしましたが、あまり手を付けなくても回避タンクが出来る様は流石特別執権官。刀系で固めればスマッシュもわりと入れてくれるので扱いやすかったです。
 そもそもメレフが仲間になる事自体が発売前は伏せられていた(なのでツイッターでメレフのことを語れないモヤモヤがこのブログを始めるきっかけの一部になったりしています;)わけで、加入したときは嬉しかったですねえ。かつての敵が仲間に…燃える!

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 パーティーの軍師的ポジションと言っていいんでしょうか。何かしら方針を迷いそうな展開になると、すかさずメレフが方向性を提示して周りを導いていく印象があります。先述のジークはどちらかというと情緒的に支える先輩なのに対し、メレフは論理的行動的なところでレックス達を支えた感じ。皇帝暗殺未遂以降でこの人が狼狽えたシーンあったっけ?と思うくらいの抜群の安定感でした。「皇帝の務めを果たそうと滅私に努めたが、従弟が皇帝を継ぐことになってその覚悟を他の形に向けざるを得なくなっている」人物ですが、自分の役目を見出し堂々と果たしている様は美しく、作中で最も「大人になっている」人物だと思います。そんなメレフだから、ラストバトルの際にメツの変化に気づいたのかも。

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 カグツチは誰しもが「開眼シーンはいつ来るのか」と思ったことでしょう(^_^;)実際開眼したのは1度だけ、しかも直接本人が関わる場面ではない一瞬という意外っぷり。それだけにホムラのことを強く気にかけていたのだと思わせる場面だったので強く印象に残っています。実務的なメレフに対して情動を感じさせる場面の多いキャラクターであり、プレイドという立場の代弁者であるように感じるところもしばしばでした(周囲に普通のブレイドでないひとたちが多いというのもありますけど)
 伝説的存在であるホムラ/ヒカリと近い立場で話ができる数少ない人物であり、贅沢を言えばもう少しキズナトークなりサブシナリオなりで絡みがほしかったですね。もしDLCが500年前の内容に触れるのなら、またヒカリ達とのやりとりを見せてくれるでしょうから、期待しています。

 

・トラ

 3代目ノポンメンバー。ノポンらしくマスコットっぽい雰囲気をまとっているものの、「祖父を殺され父を奪われ、自身はドライバーになれなかった」というハードな生い立ちに、「アーケディアがバランスコントロールのために管理しているほど重要なブレイドを、人工的に作りあげるほどの技術者」という驚異の人物。一歩間違えばその所業で世の中が狂うかもしれない技能を持ちながら、同調に失敗してもおカネがなくてハナを完成できなくても祖父の仇が拘束されている場面でも暗い心を見せることがなかったのは地味に凄いのでは…。能天気なキャラクターはありがちといえばありがちなのですが、トラのバックボーンの重さを考えると「これでいいのだ」なんて思えてしまう不思議な存在でした。やっぱりノポンは癒しでないといけないも(惑星ミラを見ながら)

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 作中では周りがトラをどう思っているのか明文化されているシーンは多くないように思いますが、ヒカリがハナに「トラくんが作ったあなたはそんなことしない、絶対に」と告げるシーンは、ヒカリ自身がそれまで自らの力を怖れていたこともあって、強く印象に残るシーンの一つです。

 

・ハナ

 個人的に今作の最優秀助演者。

 ハナライズはやるやらないの差がプレイヤーによって大きく分かれると思いますが、私は上にも書いたとおりエンディングまでは少し弄った程度(JDは最速タイミングで解禁)。でもきちんとタンク役を務めてくれた優秀なブレイドでした。3連Hitのブレイクを含めてドライバーコンボの要件を完備しているというだけでもかなりえげつない(^_^;)今でもドラコン祭りの起点として大活躍中です。

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 ストーリー上でハナが居ないと詰んでいたであろう場面はかなり多く、メンバーでは最も直接的な活躍が目立ったのでは。牢屋をぶち破ったりアーケディア直上まで2人を飛んで運んだり…。トラ&ハナはネットスラング系のイタい部分もあるっちゃあるんですけど、真剣なシーンで他のどのキャラよりも力強い心理描写があるので個人的に欠点は流せてしまう、そんなパワーのあるキャラクターだと思います。4話でエーテル炉が起動して以降、表情と声の熱演ぶりは他のキャラクターを凌駕しているのではと思うほど。特にEDのシーンは「約束」がこんな形でハナに突きつけられるとは…と感無量でした。

 

・ビャッコ

 ゴワゴワのネコ科執事。「草花は心を癒してくれますね…」は「俺は生まれたときからスザクだ」と並んで何回聞いたか分からない今作の代表的迷台詞。
 前半は年長者的ポジションでメンバーを導いてましたが、大事なところはじっちゃんが出てくるし、中盤以降はメレフが話の流れを整えるシーンが増えてくるしで、中盤以降目立つ機会が少なくなってしまったのは残念。ひとつくらいビャッコメインの場面は欲しかったけれど、いつでもお嬢様の側に控えるのが務めだから単独の見せ場というのは難しいんでしょう。ブレイドの能力的にもこの人が強すぎるとお嬢様が埋没しかねないので、妥当なスペックであるとは思います。レックス/ニア/トラ構成のときはなんだかんだで重宝してますし、不遇とまでは言えない。

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 セイリュウと合わせて序盤の年長者ポジションが動物的外見であるというのは、メンバーの雰囲気を若くするためなのかも。動物好きの私としては4足でペタペタ歩いたりニアを背中に乗せたりする様子は大好物なので嬉しいところでした。あとイブキがニャッコって呼び間違えちゃうのが妙に好き。色々と尖ったところがないキャラだし、妙に様になってる(^_^;)

 

・ニア

 ニャーでnearなお嬢様。名前が恐ろしく秀逸だと思ってます。猫耳グーラ人であること、レックスにとってもホムラ/ヒカリにとっても最も身近な存在となっていること、そして『家族』との関係…出自を考えるともっと臆病でもおかしくないくらいですが、割と物怖じしない性格でいるのは強い娘だなあ。ライコやナナコオリのクエストではお姉さん的な雰囲気を見せたりもしますし。
 唯一の回復志向型キャラということもあって、ほとんどの期間でメインメンバーでした。ナックルを持たせるとライジングもしてくれることは後半になってから気づいたので、もっと早く活用していればなー等と思っていたりします。

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 レックスはたくさんの年長者と弟分1組に囲まれている中で、同年代同士のやりとりが見れるニアの存在は貴重。レックスもニア相手だと明らかに肩の力を抜いてるところがあります。それもあってカップリング論争やら忍耐力()やらが話題になりがちですけど、個人的には上で書いたホムラ/ヒカリとの関係もなかなか感慨深いです。ボーイミーツガールの中心だけでなく、女子同士のやりとりも段階的に描写されているところはシナリオ全体に深みを与えるのに大きく貢献しているように思います。だから私の中ではサブヒロインというよりも、共に旅した仲間としての印象のほうが強いですね。

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 7話中盤の山場、ニアの魂の叫びは、今作トップクラスに胸を打つ名場面。声優さんの力を感じるシーンでもありました。

 

・イーラの方々

 絶対悪でない敵役達。今作のメインシナリオで絶対的な悪役キャラはバーン会長くらいでしょうか。マルベーニもそうでしたが彼らには彼らなりの理想があり、現実が彼らを押し潰した怒りゆえの行動であった。ちょっとエピソードを9話に詰め込みすぎている気はしますが、いい敵役でした。

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 ベンケイとヨシツネは1度タッグで襲ってくる展開とかあっても良かった気がするなあ。まああまり枝葉が付きすぎると冗長になるので難しいところですが。ヨシツネは3話の噛ませ芸、サタヒコは9話特攻のシーンといい見せ場があるので、ベンケイにもいい場面がほしかったところです。2周目特典の仲間ブレイドでいいネタがあることに期待。
 サタヒコ「あいつらが世界を駆け抜けてたら」という台詞回しが非常に印象に残ってます。「駆け抜けて」というチョイスがいい。サタヒコが抱えている鬱屈の重さを逆説的に示している気がする…

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 シンは初見のとき「ここだけキャラデザが浮いて見えるのは大丈夫だろうか?」とちょっぴり思いましたが、違和感無く物語に組み込まれていたのは流石。シンは寡黙なキャラクターゆえか目で語る場面に特に力が入っていて、それが野村氏のキャラクターデザインとよく合っている気がします。挑発的な台詞が目立つメツとは好対照。微細な表情の変化をしっかり見せてくれるムービーシーンは本作で特に素晴らしい点のひとつですが、シンのそれは特に印象的でした。(他キャラではハナやニアの表情と、あと何よりプネウマの目力の強さがすごく印象に残ってます)

 

・メツ

 お前天の聖杯だったんかーい!がテンプレ。発売前情報ではパワー系幹部かなと思いきや、ホムラ/ヒカリと対になる最大の敵だったという流れにはやられました。出来ればこれから始める初見さんにはこの情報を知らずにプレイしてほしいものです。
 しかしメツ人気ですねぇ。『もしもヒカリと立場が入れ替わったら』なんて話が某所で盛り上がることになるとは。実際立場が違っていたら気のいい兄貴キャラ(ありもので炒飯とかパパっと作りそうという声には深く同意する)だろうと思えるのは不思議。作中では色々と粗野な台詞も多いのに。陰湿さや怨恨を感じないのが大きいんでしょうかね…

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 前述したとおり挑発的な台詞が非常に印象的で、大ボスでありながら物語を一番かき回した功労者だと思います。1の「黒いフェイス」を思い出しますけど、この人は序盤の敵役から中盤でヒロインを脅かす山場にラストバトルまで完備しており、どの場面にもそれぞれの味があるのがすごい。イーラ勢との会話では面倒見の良さそうな一面もあるなど戦闘外でも奥深いキャラクターで、レックスサイドには無い男の友情的なものを感じたりもしますね。サタヒコとの約束もしっかり果たしてますし。

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 そんなメツの終着点である、ラストバトル直前の「いよ 相棒」は特に印象に残っている台詞。己の感情を吐露してからの最後の決戦でホムラ/ヒカリを相棒と呼ぶ一言に、メツが自らをどう定めたのかが凝縮されていて、非常に感慨深いです。


・ヒカリ

 きっと裏主人公。ヒロインなのに大事な場面の多くをホムラに押し付けて引っ込んでしまう様は確かにずるい。でもまあそのために人格作ったんでしょうから仕方ない() 一方でイーラやアーケディア関係では凛とした顔で語るシーンが多く、その有り様もヒロインというよりは別角度の主役であるように感じます。
 天の聖杯の能力がホムラ:パワー型なのに対しヒカリ:テンポ型というのはいい差別化。圧倒的なリキャスト能力から繰り出されるダブルスピンエッジの連打たるやΣ(゚Д゚)強すぎるといえば強すぎるのですが、今作の戦闘の爽快感を増してくれた立役者であり、戦っててとても楽しいキャラクターでした。行動速度でぶっちぎるタイプのキャラ性能って、RPGでは結構珍しいのでは?

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 ヒカリ/ホムラがいかなる経緯や思いを経てレックスに心を開いていくのかは本作最大のポイントの一つですが、その起点となる500年前のヒカリの人となりは作中であまり触れられていません。(4話冒頭に出てくる表情は冷徹なようにも疲弊しきっているようにも見える…)なのでレックスとの交流や自身の力がもたらすものに対する怖れが多く描かれているホムラと比べて水をあけられている気がします。
 ただ、これはひょっとしたら計算されたものなのかもしれません。つまりエキスパンション・パスの追加予定シナリオで500年前の出来事を描くのではないかと。ゲーム本編はレックス視点の物語であることを重視している節がありますし、ゼノブレイド2の最後の盛り上がりとしてヒカリ側の心情を描くというのは美しい構図と言えます。個人的には魅力的だけどまだ足りない・知りたい部分が多いキャラクターなので、今後さらなる描写があるのかが一番気になっている人物です。

 現状でもコロッケ好きとか買物にハマるところとか泳ぎ方がクロールだとか、所々で個性的な部分が多少見えてはいるんですけどね。キズナリング等の細かいところでネタをチラ見せしてるのがまたずるい() メツがマルベーニの影響を受けたというのなら、ヒカリにもきっとアデルの影響を受けたところがあるんじゃないですかねー。追加シナリオ、期待してます。

 

・レックス

 ボーイミーツガールのボーイ。キャラクターの第一印象は正に少年といった風貌ながら、手に職持ってるし商人達とも如才なくやりとりする。でも大きな稼ぎに飛びついちゃうあたりはやっぱり少年。作中では「前しか見てない」「前だけ見て突っ走れ」などと言われちゃってますが、作中での機転などを見ていると走りながら彼なりに周りを見ているようにも感じます。(ホムラのことを気遣いきれなかったのは彼女の側にも原因があると思う。そのすれ違いぶりもこの物語の醍醐味の一つですけど)

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 少年の主人公というと直情的なパワーで押す印象を持ちがちなんですが、レックスは(特に後半で)むしろ相手の心を慮るシーンが多く、少年の冒険譚でこういうキャラクターが主役を張ったことは非常に新鮮に映りました。本作全般を振り返りながら、アデルや他の物語の主人公との違いを考えるのがなかなかに興味深い。

 

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 レックスについて特に印象的なのは、10話で仲間たちの幻影に襲われる場面。終盤で主人公の弱さや狼狽がさらけ出されるのはカタルシス的にどうよ?という向きもあるかもしれませんが、私はあのシーンはレックスの人物像を語るのに欠かせなかったシーンのひとつだと思っています。
 クラウスは「人は何かを失ったときにその理由を求めようとする」と語っていました。レックスにとって最大の希望であった楽園が世を救うものではなかったことを知り、周囲の期待が失望へと反転したとしたら、楽園を目指すきっかけになったホムラ/ヒカリにその責を負わせようとするのか否か。レックスが失望を他人にぶつける人間であるのか否かを、クラウスは確かめたかったのではないか。
 しかしレックスは自分をここまで連れてきたホムラ/ヒカリを責めることはなく、ただ困惑し悲しむだけでした。

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 レックスは自身の信念の強さというよりは、他人の信条や願いによって行動力を得る人間なのでしょう。だから相手の願いが見えない、叶えられないとなると未熟な一介の少年でしかなくなってしまう(ヴァンダムはレックスのそんな部分を見越して傭兵団を託したのかもしれない)
 しかしそれは彼の持つ純粋な優しさを裏側から示しているのではないでしょうか。そんなレックスだからこそ、挫折と諦観が覆う世界に未来をもたらした、アデルとは似て非なる英雄として物語の中心に立っているのだと思います。勇者や戦士というよりは、思想家的なタイプと言っていいのか…RPGの主役としてはなかなかに異彩を放っているとも思いますね。

 彼の出自には幾ばくかの謎があります(メツが教えてくれなかった瞳のこととか)が、個人的には『レックスでなければならない必然性』をハッキリとは示していない状態のほうがこの物語らしい気がしています。レックス自身も「誰か」のひとり、というほうが、話として綺麗にまとまりますから。

 

・ホムラ

 ボーイミーツガールのガール。色々と今作には愛着ある要素があるのですが、一番は彼女です。例の選択肢では「おー、選ばせるのか。DQ5の嫁選択を思い出すなあ」なんて思いつつ2秒で押しました。迷いは無かった…
 性能的には真・天の聖杯たるヒカリの前座と思わせておいて、後半戦でも必殺技のパワーで活躍を見せてくれたり1人分で2属性を担う理由付けになっていたりといった長所は最後まで健在。ヒカリの強力さをゲームシステムで表現しつつ、ホムラの側も戦力的価値が陳腐化しない作りになっていたのは非常に巧妙でした。火属性も光属性も一切使わないブレイドコンボは実は闇だけという優遇っぷり。流石主役。

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 一見するとおとなしく落ち着きのあるキャラクターでありながら、イヤサキ村訪問を熱望したり宝探しにワクワクしたりするところは少女のような無邪気さがあり、ルクスリア頭部での危機や世界樹でのアーケディア狙撃ではヒカリ以上の計算高さを感じさせ、そしてジークとのキズナトークと傭兵団部隊名で謎センスを炸裂させる、等様々な側面を見せてくれました。ファイアー勇者軍団の圧倒的なダサさは伝説級(^_^;)
 

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 数あるホムラの台詞の中で、あるいは本作全体で、最も強く心に焼き付いているのがこのシーン。「メインキャラクターのほとんどが何かしらの挫折を経験している」中でも彼女の絶望感は凄まじく、しかしその暗い心を秘めながらもレックスとの交流で培った絆は嘘偽りの無い純粋なものでした。その不安定な二面性こそがホムラというキャラクターの魅力だと思っています。個人的には二律背反な本心を持ち、言動が揺らいでいるところに人間的なリアリティと奥深さを感じるのですが、いかがでしょう。

 素直でかわいいヒロインも嫌いじゃないけれど、話を転がす揺らぎがあるほうが人間味があって好きですね、私は。

 

●ラストシーンの温かさ、そして再出発へ。

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 ラストでホムラ/ヒカリが姿を現した(復活とは書きたくない。ハナへの反応を見るに記憶は保持していると思うけれど)シーンには心から安堵しました。この物語は一言で言えば「ホムラ/ヒカリ(と神)の絶望をレックスが救う」話であり、彼女達の再出発無くしてハッピーエンドにはなり得ないからです。だから理屈はともかく、ホムラとヒカリが2人となって現れたのも物語上の必然ではないでしょうか。
 ゼノブレイドシリーズの総監督である高橋氏は、電ファミニコゲーマーによる対談記事の中で ”「何か元気づけられるようなものを作りたい」という理屈から入った”と語っています。今作のストーリーにはここまでに触れたとおり「登場人物の多くがそれぞれ挫折を経験している」「絶対悪ではなく現実に対する怒りゆえの凶行」「相手の心に問いかける主人公の姿」といった部分があり、敵を打倒する・新しい未来を切り開くというよりは人の業や弱さを見つめながら前向きに歩いていくことが主題でした。

 

そんな物語だからこそ、ホムラとヒカリが『帰還』して世界樹を見上げるタイトル画面=エンディングからのリスタート地点に、温かさとすっきりした余韻を感じるのです。

 

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