心の炎が消えぬ間に

ゲームについてのアレコレを、熱が冷めないうちに、気の向くままに書き連ねるブログ

地下採掘の楽しさをシンプルに【スチームワールドディグ】

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こんばんは。
インディーズゲーム探訪第4回は、「スチームワールドディグ
第1回でプレイした「スチームワールドディグ2」の前編にあたる、採掘アクションゲームです。

2を楽しんだのだから、1をやらないわけにはいきますまい!

 

 

●どんなゲーム?


スチームワールドディグ(Nintendo Switch)

 

・基本情報(Switch版)
 ジャンル:2D採掘アクション
 価格:¥1000
 必要容量:89MB
 対応コントローラー:Proコントローラー
 対応プレイモード:TV/テーブル/携帯
 プレイ人数:1人
 セーブデータ保存数:1アカウント毎に最大3つ
 その他備考:操作ボタンをカスタマイズ可能
       オートセーブ方式(地上帰還時やアイテム購入時など)

 

 2013年に3DSでリリースされて以降、Steam、PS4、VITA、WiiUにXB1と多方面に移植された作品で、今回ようやくSwitchにも登場しました。Switch版はローカライズ会社がインターグローからフライハイワークスに変わっており、翻訳が一新されています。ちなみに私はこのSwitch版が初プレイ。

 プレイ時間はじっくり回収プレイした結果が6時間半。サクサク進行なら5時間未満でクリアも可能だと思われます。100MB未満の超軽量サイズかつ1000円というお手頃価格で、気軽にプレイできるゲームです。


●掘って、鍛えて、また掘って

 このゲームでは

  鉱山を採掘しながら地下深くへと進む
   >地上の街に帰還して鉱物を換金する
    >ショップでアイテム購入/能力を強化する

 というサイクルを繰り返しながら、最下層を目指します。

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 鉱山はシンプルな縦穴型なので、向かう方向を迷うことはありません。照明を頼りに鉱石を掘り出しつつ下へと掘り進め、照明の燃料が切れて暗くなったり、鉱石を持ちきれなくなったら一旦地上へと帰還。
 地上に戻ると採掘した鉱石を換金することができます。この換金額は経験値のような役割も兼ねており、稼いだ総額が一定以上になるとレベルアップして様々な能力強化が解禁されます。ショップではお金やオーブを支払って能力を強化したり、体力の回復やアイテム購入が可能です。

 

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 鉱山の要所要所には洞窟の入口があり、新しい能力を習得したり、多くの鉱石やオーブ(一部のアイテムや強化のときに必要になる)を得ることができます。メインの鉱山とは異なり、アクションやパズル要素を強めたミニステージといえる作りになっています。

 鉱山の地層は下にいくにつれてどんどん硬くなり、地形の構成も徐々に厄介なものになっていきます。掘る上での安全確認に欠かせないランプの明かりも、下に行く=作業時間が長くなるにつれてより長時間保つ照明が必要になってくるので、進行のためにパワーアップは欠かせません。なので最短距離を突き進むよりまめに鉱石を収集していくスタイルのほうがプレイしやすいでしょう。ガンガン鉱石を集めて着実にパワーアップしていけるので、ついつい「もう1回掘りにいくか…」と思ってしまう魅力があります。


●慌てなければ簡単な難易度、慎重さを求められるリスク要素

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 本作はゲームオーバー自体はなく、鉱山内で体力ゼロになると地上まで強制的に戻される仕組みです(洞窟内で死んだ場合は洞窟入口に戻るのみで、ペナルティは無し)
 死亡ペナルティは所持金の半減。手持ち金が少なければそれほど痛手ではないですが、逆に金を貯め込んでいるとゴッソリもっていかれます。なお所持していた鉱石は袋詰めされて死亡したポイントに置かれるので、後から減損無しで回収できます。ここは優しい作り。

 鉱山内部の鉱石や敵キャラクターは(洞窟エリアにいる敵を除いて)リポップ(復活)しません。あまり何度も死亡してしまうと能力の強化が大きく遅れてしまう可能性がある…というややシビアな作りです。本作は帰還しても体力は回復せず、ショップで回復ドリンクを購入する必要があるのですが、有料でもまめに回復しておいたほうが無難です。また、強化が可能ならば積極的に行い、所持金をあまり膨らませないほうが万が一死亡したのときの痛手を抑えられるでしょう。


 死亡ペナルティは厳しいですが、リポップがないので敵を倒し道を整えてしまえばそのエリアは安全が保証されます。被ダメージ要素は落下ダメージ・トラップ・敵・そして落石くらいに限られるので、丁寧に少しずつ障害を取り除き、ピンチになったらすぐに退却するようにすればそうそう死亡はしないでしょう。コツコツ着実にプレイする人向けのゲームといえます。

 

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 もうひとつのリスク要素として「オーブ」の扱いがあります。鉱山や洞窟でごくたまに手に入り、一部の能力の強化に必須となるアイテムなのですが、消費型アイテムである「テレポーター」も1つあたり3個のオーブが必要になっています。
 テレポーターは設置した場所と地上を一瞬で何度でも往復できる超優秀アイテムですが、まめにテレポーターを設置するとオーブ不足に苦しむというバランスになっているわけです。

 私の場合、オーブは常時余るほどの余裕を持てるわけではありませんでした(マップは初回時に自動生成される仕組みなので、人によって多少の違いはあるかもしれません)どのタイミングでテレポーターを設置するかはプレイヤーの判断ですが、「強化が後回しになりかねないリスクを避けるためにテレポーターをケチり、長めの帰還行を繰り返すのが最適」と考えられる点が、ゲームテンポを押し下げるぶん洗練さに欠ける構造になっている気がしました。アイテムをいつ使うかの駆け引きもまたゲーム性の一部、というのも理解はできますけどね。

 ちなみに私が使ったテレポーターの数は3つ。これくらいならオーブ不足はそこまで気にはなりませんが、頑張って長い道を戻ってた時期は何度かありました。
 最終的にはオーブもお金もそれなりに余りますが、終盤での入手に偏り気味なので、テレポーターの御利用は計画的に。

 

 といった感じで、本作は基本となる部分の難易度は簡単なほうなので、アクションゲームに慣れていない人にも楽しめる作品といえます。ただ、体力回復・死亡ペナルティ・オーブの使い所といったところに「慎重にやらないと後々痛い目を見かねない」リスクが見え隠れしている点は少し気になりました。


●各要素の細かい点について

・システム:軽快な動作、クッキリと分かりやすく描かれた画面
 ロード待ちはほぼ無し。ゲーム画面もアイテムや敵などの表現は分かりやすく、プレイに支障を来す雑さは全く感じない丁寧な作りです。

 

・ストーリー:ちょっとした会話程度
 オープニングと最終盤の会話がメインで、それほどキャラクター同士のやりとりは多くありません。世界観を彩るコレクションアイテムの類も無いので、ストーリーやキャラクター方面の芳醇さには重きを置いていない印象を感じます。良くも悪くも1000円のゲームらしいコンパクトさ、といったところ。

 他ハードにリリースしているインターグロー版は翻訳の出来がイマイチという話があるようですが、Switch版をプレイした限り、フライハイワークスはきちんと翻訳をこなしてくれています(少なくとも機械翻訳臭さは全くないですね)


・音楽:効果音は名脇役、BGMは地味
 
ツルハシの音やジャンプの着地音など、動作したときの効果音が地下探検の雰囲気を高めてくれてなかなか好み。BGMはそれらを邪魔しない意図ゆえかあまり主張してこない地味な感じがありました。初期設定だとBGMボリュームがやや控えめになっているようにも思うので、多少上げるのもありかも。


・クリア後要素:特になし
 エンドコンテンツやユニーク品の収集要素は特になし。純粋にクリアが目的となるゲームです。
 鉱石全回収のために隅々まで探索する、クリア時の結果表記でオール金を狙う、といった目標は考えられます。


●肉付けはやや物足りなくても、骨格だけで充分魅力ある作品

 

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 というわけで、スチームワールドディグについてでした。
 ストーリーやコレクションアイテムなどといった楽しみの幅はあまり無く、重厚に楽しめる作品とは言い難い面もあります。しかし基本となる「採掘して強化してまた採掘」の部分は非常に良くできており、没入できる良質なアクションゲームになっています。

 

kei-and-rin.hatenablog.com

 
 今回は辛口気味な書き方になってしまったんですが、続編の2が良すぎるという点もあるんですよね。
 マップ構造のバラエティ強化、能力強化システムの進化と便利度アップ、リスク要素の低減、洗練されたグラフィック、ストーリーと全体マップのボリュームアップなど、2は様々な点で大きな進化を遂げています。1をプレイした方は是非2もやってみてほしいです。
 そして1・2ともに未経験の方、2はとても良く出来たゲームですが世界観を知る上では1をやっておいて損はないと思います(《ベクトロン》のことは2だけでは描写不足で続編前提のように思う)2から1に戻ると私のように各要素の差が気になってしまう(^_^;)ので、1から順にプレイするのをオススメします。

 あれこれと書きましたが、1も2もインディーズだからと侮ることのできない作品です。興味のある方は是非。